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ダスキンのモッp(ryな日々

気まぐれで作ったブログで良ければ…

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ぼくらの-ダスキンver.ー第二章「荒木 浩二」

あれから、数日が経った。「レジスタ」が戦ったことによる死亡者数は、数人程度。それでも、俺達の街は大きな悲しみに覆われていた。





「…マシロ」
タイラの葬式の後、テツは彼女の名を呼んだ。が、コトバがその間に割って入る。
「テツ、お願い。今は、そっとしてあげて…」
諭すような冷静な言い方だったが、その中に激しい動揺を感じ取り、テツは無言で頷いて踵を返した。
「…マシロ…、あなたのせいじゃないんだから…」
「でも、ボクがあんなに気安く契約しなかったらタイラはきっと…。チィコだってあんな風にはならなかったと思うんだよ…」
「…」
とつとつと話すマシロに、コトバは何も言えなかった。無言の彼女に、マシロはもう少し言葉を追加した。
「…ボク、昔からそうだよね…。チィコ、今度こそボクに愛想尽かしちゃうかな…はは…」
「そんなこと言わないの。チィコは、マシロを嫌いになんてならないよ」
虚しく響く笑いを繰り返すマシロにコトバはそう呟き、少し歩みを速めた。

「…」
その頃、左腕全域に広がる唐草模様をコージはぼんやりと眺めていた。
「…コージ」
「マリサか?どうしたよ」
自分を呼びかけた人物に振り向かないままコージは訊き、マリサは少し逡巡した後、言う。
「もう献花したのか?」
「…何の冗談だよ。もうすぐ俺も花を手向けられるのに、献花なんて何の意味があるんだ」
「あ、うん、そうだよな。ごめん…」
苦々しげに吐き捨てたコージにマリサは慌てて謝る。そして、息を吐いて作った笑顔を顔に浮かべ、口を開く。
「あ、あのさ。せっかくだからどっか遊びに行かねえか?その、気晴らしになると思うし…」
「…れ」
「え?」
「黙れ、黙れ!何でだよ、何でだ!どうして俺が死ななきゃなんねえんだよ…!」
「コージ…」
「俺が何したよ?普通に過ごしてきただけなのに、何で…」
喚き続けるコージの姿に、マリサはひどく狼狽し、涙すら浮かべていた。「絶対の死」という最高のリアルの前では、自分達の存在があまりにも単純なのだと、彼女は知覚せざるをえなかった。
「…帰れ」
「コージ…」
「帰れよッ!」
「…うん」
涙声で走り去っていくマリサの姿が消え去ってから、コージは自分が何をしたのか理解し、頭をかきむしった。
「くそ…っ…どうすりゃいいんだよぉ…」
コージの叫びは、朱に染まる空へと消えた。
「…」
その夜、コージは眠れぬ夜を過ごしていた。「死」がどういうものなのか、彼はそれなりに考えていたが、それがいざ目前になると、足が竦む己の弱さを自嘲した。
と、何かの気配を感じ、彼はゆっくり斜め上を見上げる。
『もう思い出作りはよろしいのですか?』
「…空気読めよ、この野郎…」
『私が決めてるわけじゃ無いのでどうしようもないですねぇ』
苦々しげに言うコージに、アリアはさらりと返して楽しげに飛行する。
「アリア、この街から離れた所で戦うことは出来るのか…?」
『出来ますよ。…まだ敵は完全に転送されてませんから』
「…じゃあ、頼む。マリサや…皆の帰る所を潰したくない…」
ポツポツと呟くコージに、アリアは歯を剥き出し、嘲笑うようにくっくっと声を漏らす。
『あなたが死ぬのに関係ないでしょう。全く、ショックのあまりどうかされたとしか「死にたいわけねえだろ!」
とうとうと話していたアリアは、コージの強い調子の台詞に言葉を呑み込んだが、すぐに楽しげに浮遊する。
『志摩さんでしたか。彼女が戦う理由ですか?下らない。…まあ良いでしょう。転送して差し上げますよ』
台詞が終わった瞬間、コージの目の前に見飽きた砂嵐が走った。
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  1. 2008/05/08(木) 07:40:54|
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